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対談:髪質改善トリートメント誕生秘話
トリートメントは髪の毛の「手当て」
- 小宮
- この美容室を始めた時、少しでもお客さんにトリートメントの効果を実感してもらいたくて、マイクロスコープや電子顕微鏡で髪の毛の変化を調べてみました。
でも、当時一番良いとされていたトリートメントを使っても、ほとんど改善が見られない。どの美容室もメーカーも「トリートメントで髪質が良くなりますよ!」と謳っているのに、実際はそうではなかったんです。
ショックを受けた私は、インターネットを駆使してがむしゃらに情報を探すことに...。これが、「髪質改善トリートメント」を始める至った最初のきっかけですね。 - 大瀧
- そもそも多くの人にとって、トリートメントは「髪の毛の手触りを良くするために、シャンプーの後につけるクリーム」くらいの認識しかありません。
でも、トリートメントって本来は「手当てする/治療する」という意味なんですよ。 髪の毛は皮膚と違って自己再生能力がないので、ちゃんと手当てしないと痛んでいく一方です。
小宮さんが言う通り、ほとんどのトリートメントは手当てになっておらず、瞬間的に手触りが良くなるためのものに過ぎないのです。 - 小宮
- それで、なかなかいいトリートメントを見つけられず行き詰まっていた時に、たまたま発見したのが大瀧さんのブログでした。自分でトリートメントを開発し、しかも本当の意味で効果が出ていると。言っていることも出している成果も「神がかってる!」と感じた私は、すぐにお話を聞かせてくださいというメールを出したんです。
ないなら、自分で作るしかない。
- 大瀧
- 実は私も、元々は美容師で、自分のお店を持っていたんです。その頃は髪の毛が痛んで悩んでいるお客さんが来ても切るという選択肢しかなく、何とかできないかなと考えて、あらゆるメーカーのトリートメントを試してみました。
でも、どれを使ってもダメ。じゃあ自分で作るしかないなと思って、大学の研究室で専門的な勉強をすることにしたんです。髪の毛や皮膚のことはもちろん、染色や繊維など、関係ありそうなことは何でも学び、自分で薬剤を混ぜて新しいトリートメントを開発しようと試みていました。 - 小宮
- 正直、私はどうすればいいのかわからず行き詰まっていたのですが、大瀧さんは自分で作っちゃった! 本当にすごいと思います。でも、製造はどうしたんですか?
- 大瀧
- 販売用の薬品を混ぜるのは許可がないとできませんし、工場を作るお金もない。なので、化粧品製造の下請けをしている町工場を探しまくって、「こういうトリートメントを作って欲しい」と交渉しました。
30件くらい回りましたかね...。幸い、高齢のご夫婦で運営されている工場が受けてくださることになって。この液とこの液をこうやって混ぜてください、その時の温度はこれくらいです、その後温度をここまで下げて、次にこの液を混ぜて...と作り方はすべて私の方で指示して、作ってもらうことができたんです。化学薬品って、単に混ぜればいいわけではなく、順番は時間、温度、pHなどをコントロールしないと上手く反応が起きないんですよね。
使いこなせる美容師にしか売らない。
- 小宮
- 実際、大滝さんが作ったトリートメントを使わせてもらって、マイクロスコープや電子顕微鏡で髪の毛を見てみたら、たしかにきれいになっていたんです。あれだけいろいろ試してもダメだったのに...。
もちろん触った時の感触も全然違いますし、なにより持続力がある。
これまでのトリートメントは使った直後だけ手触りがよく、家でお風呂に入ったら流れてしまっていたのですが、大瀧さんのトリートメントはそうではない。ただ、難点としては理論をきちんと理解していないと使いこなせないということですね。 - 大瀧
- とにかく「塗る」というだけでも効果はありますが、それではこのトリートメントの良さを最大限引き出すことはできません。
ですから私はきちんと勉強して理解した上で使ってくれる美容師さんにしか販売しないことにしているんです。
例えば、まずはプラスの電気を持たせてからマイナスの電気を持つ薬剤を使うことで、しっかりと結合して流れにくくなるとかね。
そういうことを知らないと、せっかくの良いトリートメントも意味がないので。 - 小宮
- うちのスタッフもみんな化学などの専門的な勉強して、大瀧さんのOKが出てからお客さんへの提供を開始しました。
そして、お客さんの髪の毛に合わせて、最も効果が出るようその場で調合して使っています。
同じお客さんでも、髪の毛の根元と中間、そして毛先でそれぞれ使い分けています。100人いれば100通りのトリートメントがあるんですよ。
これまでいろいろなトリートメントやヘアケアを試したけど、満足のいく結果を得られなかったという人は、絶対にこのトリートメントを試して欲しいですね。